防音室とは、室内に遮音性能を備えた部屋のことです。浮構造などで室外への透過音を抑えたり、室内への雑音や騒音を防いだりします。

防音対策をする際は、遮音・吸音・残響の3つポイントに注意しましょう。とくに楽器を演奏する目的でリフォームする防音室ならば、楽器によって遮音・吸音のバランスを考慮し、室内の音の響きに気を配ることも大切です。

昨今、テレワークの導入企業も増加し、在宅率も高くなることで今まで問題になっていなかった音の問題がより一層デリケートになっています。

マンションの防音室リフォームは利用規約や管理規約を事前に確認し、専有部分と共有部分の区別をはっきりさせておきましょう。

この記事では、防音室リフォームに関する注意点や、防音の基礎知識などをご紹介いたします。

防音室とは遮音性能を備えた部屋

防音室とは、室内に遮音設備を施し、室外への音漏れを抑えたり、室外からの騒音を防いだりする部屋のことです。

部屋のなかに部屋を作って壁を二重にする浮構造や、壁や床、天井などに厚みや密度の高い素材にすることで音を遮断する方法などがあります。

防音のポイントは遮音・吸音・残響

騒音対策としての防音を考えたとき、注意しなければならないポイントが、遮音・吸音・残響の3つです。

1. 防音対策の基本となる遮音

遮音とは、空気中を伝わる音を跳ね返すことで、音が外へ漏れないようにする防音対策です。遮音性能は、空気音の遮音レベルを表す「D値/Dr値」と、床への衝撃に対する遮音レベルを表す「L値」の測定値によって決まります。

たとえば、遮音対策されている防音室から90dB程度の楽器音を鳴らしたとします。外への透過音が40dBだった場合、90dBから40dBを引いた数値が遮音性能となり、「D- 50」表記されます。

遮音性能は、D-50で「小さく聞こえる」程度、D-55で「かすかに聞こえる」、D-60になると、ほとんど聞こえないレベルの性能です。

このように、遮音性能が高ければ高いほど、外に漏れる音は小さくなります。反面、室内で音が反響し過ぎてしまい、音が聞き取りにくくなったり、耳に届く音が違って聞こえてしまうというリスクが生じます。

2. 音を吸収して透過音や反響を抑える吸音

遮音が音を跳ね返すことによって外への音漏れを防ぐ方法なら、吸音は音を吸収することで、室外への透過音を間接的に抑える方法です。

音の反射も防げるため、遮音のデメリットである室内への音の反響を抑えることができます。

吸音はグラスウールやロックウールなどの多孔質素材を使います。細孔に取り込んだ音を中で拡散させ、吸収することで音の透過や反射を防ぐ仕組みです。防音対策は、遮音と吸音の2つの対策を組み合わせて行うのが効果的です。

3. 楽器演奏用の防音室は残響に気を配ることも重要

防音室の使用目的が楽器の演奏や音楽鑑賞であるなら、室外への透過音を抑えながらも、「美しい響きのある空間」になることを意識しましょう。

音が壁や天井、床に反射すると、室内に響きが残ります。これを「残響」といいます。吸音性が高すぎ壁や天井はこの残響がなくなってしまい、味気ない音になってしまう場合があります。

室内に響く音質にこだわるなら、演奏する楽器の種類やよく聴く音楽などを考慮し、遮音と吸音のバランスを考えることが大切です。施工業者に相談してみましょう。

防音室リフォームがおすすめの人

次の3つに当てはまる方は、部屋にしっかりとした遮音性能を備えたほうがよいでしょう。マンションの上下、または近隣住民とのトラブルになる前に、防音室へのリフォームすることをおすすめします。

1. 楽器を演奏する人

自宅で楽器の練習をしたり、自由に演奏を楽しみたいという人は、防音対策を整えた部屋を用意しておきましょう。楽器はそれぞれ決まった音域があるため、その音域に合わせた遮音性能が必要です。

また、演奏する時間帯によっても必要な防音設備が変わってきます。

2. ホームシアターで映画などを見る人

「大きな画面、迫力のある音量でホームシアターを楽しみたい」という映画好きの方には、ホームシアター専用の防音室を作ることをおすすめします。

映画独特の重低音から高音まで、広い周波数帯をカバーできる防音設備を施すことで、気兼ねなくホームシアターを満喫できるでしょう。

3. カラオケを存分に堪能したい人

自宅でカラオケパーティーをしたい、1人で気兼ねなくカラオケの練習をしたいという場合も、防音室のリフォームがおすすめです。

ホームシアター同様、ある程度の周波数帯をカバーした遮音設備が必要です。室外への音漏れの程度を確認し、業者と相談をしながら工事内容を決めていきましょう。

部屋での音の伝わり方には空気伝搬音と固体伝搬音がある

空気伝搬音と個体伝搬音

防音室のリフォームを検討するにあたって、音の伝わり方についての基本的な知識を身につけておきましょう。

音は物体が振動することで発生し、空気中や個体、液体を伝って耳に届きます。たとえば、拍手をすると、「パチパチ」と音がします。これは手と手がぶつかることで起こった振動が、波のように空気中を伝って耳に届き、鼓膜を振動させることで、「音」として脳に伝わっているのです。

これを「空気伝搬音(空気音)」といいます。

人の話し声やテレビの音声といった空気伝搬音は、音源から離れれば離れるほど音が聞こえにくくなるため、壁などである程度遮断することができます。

一方、個体が振動することで伝わる音のことを、「固体伝搬音(固体音)」といいます。たとえばピアノやギターなどの楽器の音は、空気伝搬音(空気音)として耳に伝わるだけでなく、壁や床、天井に振動となって伝わりやすくなり、マンション階下や隣など、広い範囲で聞こえてしまいます。

楽器別騒音レベルと対策法

楽器別騒音レベルと対策案

楽器演奏を目的とした防音室では、演奏する楽器の音の大きさ(dB)によって、遮音性能や吸音性能を考えなくてはなりません。

騒音レベルが高いといわれている楽器の、それぞれの音の大きさや防音対策は次のとおりです。

1. ドラム:120dB

ドラムの音の大きさは低音のバスドラから高音のシンバルまで、ほぼ100dBを超えます。楽器の中でも特に騒音レベルが高く、ジェット機の音と同等といわれています。

打楽器を演奏するための防音室には、広い周波数帯をカバーできるD-65dB以上の高い遮音性が必要です。壁には吸音材を使用し、音漏れを防ぎながらも、長時間演奏しても影響がない音響環境を目指しましょう。

2. ピアノ:100dB

プロ、またはプロ並みのテクニックを持つ人が演奏するピアノの音は、

500Hzの周波数帯で100dB以上の音量になります。また、ピアノは演奏法によっても音の大きさが変化し、鍵盤を力強く叩くフォルテッシモでは、響板近くで110dBもの大音量に達します。

近隣住民とも騒音トラブルを避けるためにも、プロの演奏家ならD-65dB、お子さんや学生の練習ならD-55dB程度の遮音性能が欲しいところです。

ピアノの本来の響きを活かすために、壁の厚みや吸音素材によって残響を調整しましょう。

また、マンションでの防音対策なら、壁や床、天井からの振動を遮断できる浮構造の防音室がおすすめです。

マンションの防音室リフォームの注意点

賃貸マンションにお住まいの方が防音室のリフォームをする場合は、利用規約を確認し、大家さんまたは管理会社への許可を得てから行いましょう。

また、分譲マンションであっても、リフォームできるのは専有部分のみで、共有部分にあたる場所は手を加えられないことを覚えておきましょう。

防音室リフォームの流れ

施工業者に防音室のリフォームを依頼し、完成するまでの流れは次のとおりです。

  1. 電話やメールフォームでのお問い合わせ
  2. 現地調査やヒアリングによる要望の確認
  3. ヒアリング内容のもとにした提案書の提出
  4. 工事内容決定・お見積もり作成
  5. ご契約
  6. 防音リフォームの着工
  7. 完成

問い合わせから現地調査、提案書の提出、見積もり作成までは無料です。ご契約成立ではじめて料金が発生します。

工事着工から完成までにかかる大まかな日数は、6帖程度の防音室で最短で9日から2週間前後です。完成後、引き渡しの前に、測定用音源を使って測定を行い、注文通りの遮音性能がしっかり確保されているどうかを確認します。

防音室のリフォームで音漏れによる近隣トラブルを回避

自宅で音楽を演奏する人だけでなく、ホームシアター鑑賞やカラオケを存分に堪能したい方などにも、室外への音漏れを気にすることなく過ごせる防音室リフォームがおすすめです。

とくにマンションの階下や階上は音が伝わりやすいため、騒音による近隣トラブルを避けるためにも、高い遮音性能を備えた防音室を作りましょう。

楽器練習用の防音室は、演奏する楽器によって遮音と吸音のバランスを考え、残響にも気を配ることがポイントです。