建築音響の考え方
建築音響について、昭和音響の考え方を以下にご説明します。
物理的なご説明となりますが、下記の根拠に基づいて防音室の計画を実行しております。
また、遮音の性能や室内音響性能の良し悪しは、お客様ご自身の主観評価もとても大切です。
そこで、先ず人間の聴覚特性について説明してから、弊社の遮音設計・室内音響設計の考え方をご紹介いたします。
人間の聴覚特性
人間が聞くことができる音の高さの範囲はおよそ20 ~ 20 kHz、その聞こえ方は音の高さや大きさによって異なります。
人間の聴覚特性と物理量を比較した等感度曲線を図2に示します。縦軸は物理量の音圧レベル(dB)、横軸は周波数(Hz)を示し、左から右に行くに
従って音が高くなります。
1 kHz を基準として周波数を変化させたとき等しい音の大きさに聞こえる音圧レベルを測定して、等高線として結んで描いてあります。
等感度曲線からわかるように人間の聴覚は低音域の小さい音の感度が悪く、2 ~ 4 kHz の範囲の感度が高くなっています。
例えば、音圧レベル60 dB でなっている1 kHz の音と同じ音量にするには、0.2 kHz では約70 dB、3 kHzでは約55 dBにする必要があるということ
です。
横軸の周波数は対数尺度となっています。これは「心理的な感覚量は、刺激の強度ではなく、その対数に比例して知覚される」というフェフナー
の法則によるものです。
ド、レ、ミ・・・を考えるとよくわかりますね。音楽の基準周波数A4 は440 Hz 、1オクターブ上のA5 は880 Hz、2オクターブ上のA6 は1760 Hz・・・と1オクターブ上ることに周波数は2倍になります。
人間は440 Hz から880 Hz への変化量(440 H)と、880 Hzから1760 Hz への変化量(880 Hz)が同じ変化量として知覚されるということです。
人間が聞くことができる音の大きさは1000 Hz において約2×10-5 ~ 20 Pa で、範囲は6 桁にも及びます。これでは計算が大変であり
先のフェフナーの法則が音量に対しても当てはまることから、対数尺度のdB を使って音の大きさを表します。1000 Hzの音を提示して正常な聴覚を
有する人がやっと聞き取れる音圧2×10-5 Paを基準としてdB の計算をすると、人間の可聴範囲は0 ~ 120 dB となります。
一般的に音圧レベル0 dB 以下は聞こえず、120 dB 以上となると痛みを感じるようになるといわれています。
このように人間の音の聞こえ方は周波数と音圧レベルによって聞こえ方が変わりますので、音圧レベル80 dB の音といっても含まれている
周波数成分によって主観的な音の大さは異なってきます。そこで人間の感じ方を考慮した表示方法として騒音レベルがあります。
音圧レベルに、先の等感度曲線の40 phon の特性を補正値として重み付けした値が騒音レベルです。騒音レベルの単位は音圧レベルと同じdB です。
2つを区別するために騒音レベルの場合は、騒音レベル**dB と表示します。
dBについては、こちらのコラムでもご紹介しております。ご興味があればご覧ください。
それでは、実際に以下に建築音響の遮音設計と室内音響設計の具体的内容をご紹介します。
遮音設計
設計にあたっては、ピアノやオーディオなど音源の音圧レベルを確認し、利用時間帯、立地条件などを考慮しながら遮音性能の
設計目標値を立てることから始まります。
室内から外に漏れる音に対しては騒音規制法、室内から隣室に漏れる音に対しては、日本建築学会推奨基準などを基に設計目標値を設定します。
●音源
代表的な音源のパワーレベルを表1に示します。
この値を基本に、音源の指向性や設置場所・距離減衰などを含めて音源の音圧レベルを推定していきます。
設計目標値の設定
防音室から外に漏れる音、そして外から防音室内に入ってくる音に対して遮音性能の設計目標値を検討いたします。
防音室から外に漏れる音に対しては、外壁に面する部分に対し騒音規制法(表2)に準じて、隣室に面する部分に対しては
日本建築学会推奨基準(表3)を用いて設計目標値をたてます。
例えば、
・音源:ピアノの演奏音 約95 dB
・利用時間帯:制限なし
・場所:東京都の第一種低層住居専用地域
の場合、表2より隣地敷地境界線で許容騒音レベルは40 dBとなり、必要遮音性能は
音源(95 dB) - 許容騒音 (40 dB) ≒ 必要遮音量 (55 dB) となります。
ここで得られる必要遮音量には低音や高音などの周波数特性が含まれていません。
そこで低音域の聞こえが悪いという人間の聴覚特性を含めた遮音等級D値から周波数ごとの必要遮音量を算定します。
必要遮音量が50 dB の場合、図3に示す遮音等級D値から赤線で示したD-50の曲線より高い遮音性能が得られるように設計していきます。
この値は防音室の隣室や上下階の隣接する部屋の利用目的や室内騒音に合わせて設定します。
遮音等級D値の設定目安を上の表3、下の表4に示します。
これに対して外から防音室内に入ってくる音には、室内許容騒音の評価値NC曲線を用います(図4)。
NC曲線は人間の聴覚の等感度曲線(図2)に近似しています。
この曲線に沿った周波数特性を持つ騒音は、人間には低音から高音まで同じ大きさの特徴の無い騒音に聞こえやすく、あまり気にならないと
されています。
NC値と騒音環境の状態の目安を表5に示します。
NC値で目標値をたてるとともに、防音室内の騒音がこの曲線に沿った周波数特性になるように検討します。
次に、必要遮音量に見合った材料・構法を検討していきます。
ここで大切なことはどの部位に対しても同等の遮音性能が得られるようにすること。
壁の遮音性能がD-45で窓がD-30の場合、総合的に判断するとD-30 の遮音性能となります。
この場合、窓を2重サッシにして壁と同等の遮音性能が、得られるようにしなくてはなりません。
材料の選定は質量則が基本となります。
均一な材料からできている壁体の透過損失は〝その壁体の単位面積当りの質量と音の周波数の積の対数に比例する〟
というのが遮音に関する質量則です。
防音室工事でよく採用する建材について、表6に密度を示します。
選定した材料に対して、音が垂直に入射したときの透過損失は式(2)、ランダムに入射したときの透過損失は式(3)を用いて
算出します。
単位面積当りの質量が大きいほど、あるいは周波数の高い音ほど、透過損失が大きく、遮音効果が高いことになります。
質量則によると、壁の質量あるいは周波数が2倍になると透過損失は5 dB高くなります。
このとき質量則に従うと250 Hz では45 dB、125 Hz では40 dB の遮音性となります。
これでは低音の遮音性能が悪いと心配になりますが、さきほどの人間の聴覚特性を思い出してください。人間は低音の音に対しては鈍感でしたね。
ここで必要遮音性能が60 dB とします。質量則に従うと厚みが倍になると遮音性能は5 dB 上昇します。
従ってコンクリートで60 dB の遮音性能を得るためには厚みを4倍、600 mmの壁が必要となります。
これはもはや壁部分の厚みではなく、構造柱の厚みであり、その荷重を考えると建築物としては非現実的です。
壁の厚みを増しても対して遮音性能が上がりませんが、独立した別の壁を建てればどうでしょう。
部屋の中に、図5に示すように音や振動を伝えにくい材料で支えられた、音響的に独立した部屋をつくる訳です。
この工法は浮構造と呼ばれ、質量則と比べて少ない荷重・狭い空間で高い遮音性能が得られます。
しかしながら、この浮構造は、従来工法の常識が通らない特殊な工法ですので、浮構法を採用する場合は、弊社のような防音室の工事経験数の多い
防音の専門施工会社に依頼することをお勧めいたします。
開口部の遮音設計
先のコンクリートの条件で3m×8m(24 ㎡)の壁があり、そこに2m×1mの防音扉が付き、扉周囲に1mmの隙間(0.006 ㎡)が
出来てしまったとします。
そうすると隙間の遮音性能はゼロですので、50 dB あった遮音性能は36 dB まで低下します。
このように高い遮音性能を得るためには僅かな隙間でも気を許すことができません。浮構造を採用したときの隙間の考え方は、剛に塞ぐ隙間と
反対に、柔に塞ぐ隙間、あるいは広くとる隙間と反対に極力狭くする隙間にわかれます。
その判断が遮音性能の高い防音室工法を難しくしている一因です。
そして、竣工後の設備の増設や移設は遮音性能の低下を招くため、設計初期の段階での適切な機器選定・配置が大切となってきます。
上記を考慮の上、浮き構造にて防音室を造る事で、効率の良い遮音が実現できます。
DIY防音のヒント
●ご自身で対策できる、空気伝搬音対策として、以下に基本的な手法を記します。
1.いわゆる隙間をなくし、お部屋の機密性を向上させる。 音は、質量の低い部分や隙間・穴などから漏れていきます。
隙間や穴は少なくする、または塞ぐのが空気音の伝搬を防ぐ基本となります。 防音タイプのサッシやドアを用いて開口部を強化し
給排気口には消音ダクト・消音換気扇 などの採用をお勧めします。
2.共鳴・共振しにくい構造をつくる。
遮音性能はその素材が音によって振動しやすいかどうかが、焦点となります。
物にはそれぞれ振動しやすい音があります。うまく組み合わせて共鳴・共振しにくい構造をはかります。
3.コインシデンス効果を防ぐ
特定の周波数で遮音性能が極端に落ちる現象をコインシデンス(偶然の一致)効果といいます。
●ご自身で対策できる、固体伝搬音対策としては
音源(振動源)が構造体に直接振動を伝えない(または伝えにくくする)ようにすることが大事です。
以上のように人間の聴感特性や、防振構造、素材の内容を考慮し、防音室の遮音設計を検討します。
次に、高い遮音性が得られた防音室では、室内の響きの質が問題となります。
以下に、防音性能を確保した音楽室の室内音響設計をご説明します。
室内音響設計
室内音場の特徴は反射音があることです。
屋外では反射音はほとんどありませんが、室内では壁、床あるいは天井から音が反射されるため、音源(楽器など)から
直接届く音(直接音)だけでなく、反射音もあわせて聞いていることになります。
したがって、同じ音源から出た音でも室内と屋外では同じようには聞こえません。
室内の音場での聞こえ方は、反射音がどのようにどのくらい返って来るかによって、大きく異なります。
遮音性能が高い部屋は当然のことですが、静かな空間となりますので、騒音に隠れていた音響障害や、強い反射音・響きの特性を
良くも悪くも知覚しやすくなります。
室内音響設計で大切なことは、
① 音が十分な音量で聞こえること →直接音が十分に行き渡る
② 音が明瞭に聞こえること →直接音から約50 ミリ秒以内に十分な反射音が届く
③ 好ましい響きを伴っていること →残響音のエネルギーが適切で、拡散している。
以上があげられます。
①と②は音の反射、③は反射と吸音の調整することによって実現します。
この設計が上手くいかないと音響障害が生じます。
空気中を伝搬してきた音は異なった材料に当たると、その音のエネルギー(入射:I)は
反射:R、吸収:A、透過:T に分かれます。
建築音響における、室内音響設計は音のエネルギーをこの3種類に上手に分配する作業といえます。
また、建築音響は大まかに先述の遮音設計、室内音響設計に分かれ、遮音設計は透過のエネルギーを小さくすること、室内音響設計は反射と
吸収の調整となります。
入射音に対する反射率(R/I)を算出して、計算式に表すとα=1-R⁄Iとなり、1から反射率を引いた値を吸音率:α と呼びます。
室内音響では、この吸音率で部屋の響きを調整していきます。
①室内反射音による音響障害
主な音響障害にはフラッターエコー、ロングパスエコーがあります。
フラッターエコーは平行した反射面の間で音を出したとき、反射音が平行面の間を行き来してなかなか減衰しないことから
周期的な強い反射音が生じる現象をさします。図6 (a) は直接音の後に豊かな初期反射音が到来しており、残響音成分はなだらかに
減衰している理想的な特性です。
それに対し(b)は初期反射音が少なく残響音の中に周期的な強い反射音が到来しています。
この周期的な反射音がフラッターエコーと呼ばれる音響障害です。
対策としては平行となる面を作らない、やもえず平行となる場合は吸音材や拡散体を取り付ける方式があります。
ロングパスエコーは山彦現象とも呼ばれ、自分が発した音が大きな遅れ時間と音量をもって戻ってくる現象です。
例えば喋っているときに、自分の喋っている声が遅れて聞こえてきたらどうなるでしょう。多くの人は自分の声を聴いてしまって喋れなくなります。
このときの遅れ時間の許容限界は50 ミリ秒とされています。
音速を約340 m/秒とすると、音は50 ミリ秒で17 m進みます。
往復と考えると8.5 m 以上離れたところに大きな反射面があるとロングパスエコーが生じる恐れがでてきます。
対策としては反射面の角度を変える、吸音性に変えるなどがありますが、空間全体の音響で考えていかないと新たなロングパスエコーを
作ることになります。
(a) 理想的な反射音 (b) フラッターエコーが生じている (c) ロングパスエコーが生じている
②定在波
直方体の部屋は、その部屋の寸法にあった周波数を基本周波数として、基本周波数とその整数倍の周波数で共鳴現象が生じます。
共鳴周波数では入射音と反射音からなる合成音が室内であたかも止まっているような状態となり、図7(a) のようにある場所は音が大きく
数歩移動すると音が聞こえなくという音圧分布の悪い状態を引き起こします。
部屋の縦横比が1:2のとき、図7(b) のように縦の共鳴周波数と横の共鳴周波数の2倍が一致し、両方向の共鳴現象で
さらに音圧レベル分布が悪くなります。
部屋の壁際や隅は音圧の上昇が激しく、これをブーミング現象と呼んでいます。大空間では基本周波数が低いので障害とは成り難いですが
六畳間や八畳間では生じる事が多いです。
例えば、直方体の短辺が10 mの場合、基本周波数は約34 Hzでその倍音は68-102-136・・・Hz、それに対して直方体の短辺が2.7 mの場合
基本周波数は約125 Hz, その倍音は250-375-500・・・Hzとなります。
基本周波数が低ければその倍音の間隔が狭く定在波が密となり、結果特定の定在波のみが目立つことがなくなります。
それに対して基本周波数が高いと倍音の間隔が疎となり、結果定在波が目立つことがなくなります。
この現象は部屋の寸法比を割り切れない数にする、平行面を造らない、吸音力を高めることで回避可能です。少しくらいの拡散体をおいても
効果はあまり見込まれませんのでご注意してください。
③平均吸音率(残響時間)
部屋の響きの量は平均吸音率で目安が付きます。平均吸音率とは室内の床・壁・天井のすべてに対して材料別の吸音率と面積から
全吸音力を算出して、総室表面積で割った値です。
部屋の利用目的と平均吸音率の関係を表7に示します。
平均吸音率の設定のときは部屋の中に置かれる家具や人による吸音力も含めて算出します。
残響時間は音源を停止後、室内の音の強さが百万分の一(-60 dB)まで減衰するのに要する時間(秒)です。
残響時間の計算式を式(4)に示します。式からわかるように残響時間は、容積が大きくなると長くなり、平均吸音率が大きくなると
短くなります。
また大空間の場合、高音域において空気による吸音の影響が大きくなりますので、その考慮も含めます。
以上の①②③を理解し、分析し、必要な吸音力を周波数ごとに算出して、音響障害の対策と共に、様々な建材の吸音率と面積・配置
および意匠を含めた検討を行う事が、建築音響における室内音響の空間設計業務となります。
音響・映像設備
弊社ではお客様の求めている音質やご利用方法、ご予算などに合わせて音響、映像機器設備をご提案し、配線から設置まで行います。
店舗、会議場やカルチャースクールなどのホール、葬儀場など環境は問いません。
(音響・映像機器設備のご相談は、弊社防音工事とセットの場合のみ承っております。)
よく見かける代表的なメーカー等で組み合わせた一般的なシステム、同業店と差別化を図る高音質なシステムなど、様々なニーズに合わせて
ご提案致します。
また弊社ではステレオやサラウンド、ATMOSやDTS Xを含むホームシアター、高画質の監視システムなど様々なシステムにおいて対応しております。
最先端の機器を導入したシステムだけではなく、ビンテージ機器を組み合わせたアナログライクなシステム、またスマートフォンや
タブレット端末、既にお持ちのオーディオ機器を利用して予算をかけずに大変便利なシステムを構築する事も可能です。
例えば、ピアノ防音室内の音や映像をリアルタイムでリビングやキッチン、その他の空間で視聴する事が出来るようになります。
機器同士の接続方法もケーブルを使用した有線、Wi-fiやBluetoothを使用した無線をお選びになれます。
ワイヤリング
レコーディングスタジオような2室以上の防音構造間の音声回線のやりとりには、ワイヤリング工事(壁内や床内の配線工事)が必要です。
マイクポケット(コネクタがついたパネル)やマルチボックスのするのか、またはマルチケーブルのコネクタをを露出するような方法にするのか
ブース側は大型レコーディングスタジオで見られるパッチベイ方式を採用するかなど方法は様々です。
上記の工事方法を間違えると、ワイヤリング工事をした時の音声回線数(チャンネル数)が少ない為に多チャンネル同時録音が出来ない
ワイヤリング時のコネクタと機材のコネクタや規格が合わず機材の使用ができないなどといった不具合が出ます。
場合によっては大がかりな補修工事が必要となります。
またピアノや管楽器、弦楽器のような1室の防音構造についても、住宅内での便利な使い方をご提案致します。
昭和音響ではお客様にしっかりとカウンセリングをさせて頂いた上で、音質が優れている事は当然ながら、ご予算に合わせて、使いやすく
不具合が起きにくい内容のご提案と施工をさせて頂きます。
電源について
通常の100Vだけではなく、海外製の機器を使用する為の115V用(ex.アメリカ)、場合によっては 220V用(ex.英国)の
コンセントを壁に設置する事も可能です。
その場合、ノイズ対策として専用アースを設けます。
プロ/ハイエンドオーディオ向けの壁コンセントが、通常のコンセントと違う点は、音質的な違いもさることながら、電極のバネ性の強化
これは、差し込んだプラグが簡単には抜けないようにするためといった構造的な違いもあります。ホスピタルグレードの規格には、主に日本製
コンセントに与えられるJIS規格とアメリカの電気法に適合したUL規格があり、UL規格の方がJIS規格より電極の接触抵抗を低く抑えるように
定められているので、結果的に音質的にも有利と考えられます。
また、オーディオ用の電源タップを導入する、コンディショナーで電源をクリーンにする、ステップアップトランスで昇圧するなど、一般的な
コンセントであってもグレードアップする方法は様々にあります。
コンセントだけではなく、電源を機材に供給する電源ケーブルも非常に重要です。線材や太さ、コネクタ部によって音質にも変化が出ます。
極性を正しく合わせてコンセントに接続する事で、機材本来のパフォーマンスを発揮します。
上記の内容は一部で、お客様のご希望やご予算によって電源環境をご提案させて頂きます。
音響機材や照明は思いのほか電力を消費する場合があり、現状のテナント契約の電気容量ではまかないきれない場合があります。
使用予定の機材や消費電力の容量・種類を確認し、電気インフラの整備は、特にスタジオの運営において重要な要素となります。
測定(性能の検証)
1 空気音遮断性能測定結果
測定はJIS A 1417 建築物の空気音遮断性能の測定方法に準じて行い、評価は日本建築学会推奨基準を用いて測定を実施します。
2 床衝撃音遮断性能測定結果
測定はJIS A 1418-2 建築物の床衝撃音遮断性能の測定方法(標準重量衝撃源による方法)に準じて行い、評価はJIS A 1419 「建築物の遮音等級」
および日本建築学会の「建築物の遮音性能基準と設計指針」を用いて測定を実施します。
保証とアフター
● 安心の遮音性能保証
弊社では、工事ご契約の際に、契約書に設計遮音性能を明記いたします。
これは、遮音性能をお約束させていただき、その性能を実現する事が、工事の契約内容であるという事です。
工事のお引渡し時に、遮音性能測定をお立会いの下に、実施させていただき御確認して頂きます。
(万が一、遮音性能を実現できていないときには、工事代金の返金もしくは、工事の作りなおしをさせていただきます。)
● 工事後のアフターメンテナンス
基本的に弊社にて施工させていただきましたお客様には、その後の弊社工事対象物の不具合が発生した場合や室内音響についての
アドバイスなどは無償にてアフターメンテナンスを行っております。
(自然・経年劣化及び、部材の損傷・損耗による交換等については、費用がかかる場合もございます。)
防音ドアや空調設備、照明器具やサッシに至るまで 建材メーカーによっては、メーカー保証もございます。
メーカーと弊社の2つの保証でご安心頂けます。
自然界に存在する案騒音は、大まかには、63~8000Hzあたりの周波数帯成分がほとんどとなります。
そのため、通常は
63 125 250 500 1000 2000 4000 8000
上記8つのバンドにて案騒音LVを評価します。普通騒音計のほとんどが、この帯域を測定する設定となってます。
1気圧(1pa)での音速(m/s)は331+0.6x気温です。
気温が15度なら340m/sで、1度上がるごとに0.6m/s上昇します。
空気伝搬音 液体伝搬音 |
流体としてのエネルギー伝搬 疎密による進行方向への縦波 |
固体伝搬音 | 上記縦波とずり弾性による横波などにより、伝搬します。 |
媒質とは・・・空気や空気以外の気体、水などの液体、金属やコンクリート等の固体も音を伝える媒質となります。
ちなみに、媒質のない空間(真空)では、まったく音はしないことになります。
西部劇の一場面で、線路に耳を傾けるシーンがあるが、媒質により音の伝搬速度は異なる為、空気中の音の伝搬速度より、金属やコンクリート等の固体を伝わる伝搬速度の方がずいぶんと早く伝わります。
遠くから接近する電車の位置を測定する方法として、線路を伝わる音(振動)を感知する行為は実に合理的であるということです。
空気中の音の速度≒341m/秒(常温・1気圧中)・・・1℃温度が上がると約0.6秒速くなり、気体の種類が変化すれば、当然音速も変化します。
液体中の音の速度≒1500m/秒
固体中の音の速度・・・金属≒1500m/秒・・・ダイヤモンド≒10000m/秒以上と言われます。
※表記中固体については、縦波の速度を表示しています。
エアー層の中で起こる距離減衰(疎密を繰返す中での空気中の摩擦での熱エネルギーへの転換)
二次伝搬音の発生地点から外壁までの距離と位相の関係による遮蔽物の仕事量の増減等が主な原因となり、2番の部屋の方がより広い周波数帯域への遮音性能が高くなります。
しかしながら構造が同じで大きさも同じ場合は、質量則(重量則j)においての音エネルギーの遮蔽力は同じになります。空気層の設計によりいわゆるA特性での音の感じ方には大きな差が出てくるということです。
水中に棒を差し込んだときに、水の中で棒が曲がったように見えた経験をされた事がある人は多いでしょう。これは空気という媒質と水という媒質により、光の伝搬速度が異なる事で派生する光の屈折現象であり、音もまた媒質の変化により伝搬速度が変化する。
また、同じ媒質中においても、たとえば空気を例に挙げてみると、空気中の温度や湿度で音速は変化する。
温度分布による屈折現象としては、蜃気楼などが有名である。
faxは、セットされた原稿に光をあてて、その反射光の強弱により文字や画像のある原稿部分の認識をしており さらに原稿部分は小さなブロックにわかれていて、これは画素と呼ばれている。
この画素を電気信号に変換し、電気信号をさらに周波数に変調して電話線を使って受信側のfaxへ情報を伝送する。
受信側は、受信した周波数を電気信号に戻し、さらに画素情報に直して描かれていたものを受信する。
FAXの情報を伝送するのにも、周波数は使われている。
マイクロ波は1秒間に分子を24億5000万回振動させる事ができる、波長の短く強い波動現象で身近な例として、電子レンジや、衛星放送の電波などとして見うけられる。
電子レンジは、上記の振動を付与することにより、水または水分を含んだ対象物の分子を振動させてその摩擦現象により対象物を急速に加熱する原理を採用している。
プロ野球の投手が投げた球のスピードは、どのようにして計るのだろうか?
じつは、ドップラー効果を利用した計測器によって測られています。
ドップラー効果とは、救急車のサイレンや、超音波診断装置などでも活用されており、音源が近づいてくると音源は過去に出した音に追いつきながら移動するため前方の波長が短くなり高音になる。
また、遠ざかる時には、逆に波長が長くなり低音となる。
この現象は、音波だけでなく電波でも起きる現象で、さまざまなスピードを計る計測器は、移動対象物にマクロ波を発射し、その波長の変化により速度を計測している。
電話の仕組みは、音を電流の信号に変換して受信者に伝えている。
音は空気の振動なので、電話の送話器に向かって出した音声は送話器内にある振動版という薄いアルミ膜を振動させ奥にある炭素粒を疎密運動させる。 この運動を電気信号に変換し伝送している。
ところで、我々が普通に話している会話では、300Hzから3kHzくらいの周波数しか使っていない。
その為、電話は4kHz以下の音だけが通るように設計されている。
その結果、人の声も生音と電話の声では、少し変化して聞こえる。周波数範囲を制限すると、音色と云われる部分において倍音が制限され、音の印象が異なってくることがあるのは、この為である。
一方、電話機には、電磁石と電振動版が入っているため、磁力の変化で振動版が振動して音になって聞こえる仕組みであります。
携帯電話などに使われている1000MHz(1MHzは100万Hz)前後の電波は、音波に比べると非常に周波数帯が高いですが、その波長は30cm程度であり、物陰への回り込み方などの波動的な振る舞いは1kHz近辺の音波と似ています。
ただし、遠くへ伝わるときの減衰量や壁を通り抜ける性質は電波と音波では大きく異なっています。
宴もたけなわのパーティーにおいては、たいへんに賑やかな状況であるがそんな中でも、特定の人の会話や話し声は聞き取ることができる。
雑音の中から、自分の必要とする情報を聞き取ることができる現象をカクテルパーティー現象という。
聞きたい音の方へ神経を集中したり、手を耳にそえてみたり、ウサギなどの動物の中には、耳自体を音のするほうに動かしたりする。
神経を集中することで、情報を集約する方法は、脳の処理による作用が大きいが、この様な脳の働きについては、未解明の点が多い。
同じ音源から発する音であることを、音の高さや大きさ、到来方向の変化が同じであること、基音や倍音が同一であること、などを分析することで判断していると考えられる。
高層ビルのエレベーターでは、BGMを流しているところが多く目的は、人間の聴覚の「マスキング」という性質を利用して、エレベーターの運転騒音を目立たなくしている。
オフィスなどでも、エアコンの音が止まると、他の音が急に耳障りになることがある。
マスキングとは、このようにある音が存在すると、他方の音が聞き取りにくくなる現象である。
騒音で人の声やテレビの音が聞こえにくくなるのは普段に経験のあることだと思います。また、自分が声を出していると、他人の声が聞き取りにくくなる。
もう少し、学術的表現をすると、妨害音によってある音の最小可聴値が上昇する現象がマスキングであります。
そして、最小可聴値の上昇分を「マスキング量」と呼びます。
これは、防音工事の技術でも応用されていて、その環境にすでにある暗騒音のレベルと比較して、防音室で遮音しきれない音エネルギーが外部の暗騒音レベルよりしたまわれば、人間の聴覚として感知できず、音は聞こえないという現象が生まれます。
アクティブノイズコントロールの技術とは、異なります。
大きな面積が振動すると動かされる空気の量が多くなるので、それだけ大きな音のエネルギーが放出されることになります。
振動する速度と振動する面積を掛け算したものが体積速度といいますが、この体積速度が大きいほど音源の強さも大きいということになります。
同じ振れ幅であれば、周波数が高いほど振動速度が速いので同じ面積でもそれだけ有用な音源となります。大きなうちわではゆっくりあおいでもそれなりの風が発生しますが、小さなうちわではせわしなくあおいでもなかなか風が起きにくい現象に似ていますね。
※大きい楽器(=振動する面積が大きい)のほうが、小さい楽器よりも大きな音がする
※振幅が同じ場合、周波数が高い方が強い音がする。
ということです。
★音は人工的に排除しない限り、常に身の回りに介在している物です。
例えば、風邪に木々が揺れる音、建物や電線で風邪が切れる音、通学中の子供達の声、鳥のさえずりや車の通過する音、電車の通る音、緊急車両の通貨音、飛行機の飛ぶ音、さらに室内に耳を傾けると時計のカチカチ鳴る音、エアコンや洗濯機の動作音、ラジオやTVからの音、蛍光灯の音等例を挙げればきりがありません。
それぞれに周波数帯や、振幅による音の大きさは異なりますが常に音の中に身をおいて生活しているのが我々人間です。実際にまったく音のない世界『無音』の状態を体験するには、音響機器の実験等で使われる無響室と呼ばれるような部屋でしか無音の状態は体験できないのです。
無音の状態では気分もリラックスできさぞかし落ち着ける空間だろうと考えるのは誤りで人類が地球に生誕して以来、音に囲まれて生活してきた我々は、周囲の状況や危機の到来も音という情報から取得したり感知してきた生物であり情報源としての音を立たれたとき、人は非常な不安やストレスを感じるのであります。
文字通り弾力する性質のことで、自転車の空気入れでタイヤの空気を満タンに入れれば、空気入れのハンドルは重くなり、ともすれば跳ね返る現象を体験することがあります。幼少期の学校の実験中、注射器をシリンダーにみたて、空気を圧縮した事がある人も多いはずですが一旦押さえ込んだ空気が、跳ね返される現象を目にした事あるかと思います。
これは、押さえ込まれた空気という気体が一旦、圧縮されるもののその弾性により元の大きさに戻るという事です。さらに空気には質量もあり、普段生活している中で、空気の重さを体で感じることはないかと思いますが、質量がある以上、空気には重さがあり、重さがあれば慣性力が働くという事になります。 音エネルギーを空気が伝搬する時、その弾性による疎密の繰り返しと、質量による慣性力(音の方向・位相)で、音を伝えているのです。
さらに、空気には非常に微少ながら粘性もあり、空気中を音が伝わる際に、疎密運動による摩擦と分子レベルの気体と気体が衝突することで生じる力、そして、空気自体の粘性により、音が発生した地点から遠くなればなるほど、距離による音の減衰(音の距離減衰)が起こるのです。
○ その他の自由音場における、音エネルギーの減少要因
・拡散減衰とは・・・
音を点音源と考えたとき、音源発生位置からの距離に応じて、点音源を構成する球体の波面が大きくなり、同単位面積当たりのエネルギーは減少する現象です。
・吸収減衰とは・・・
吸音体の中で、音が運動エネルギーとして無数の反射、粗密運動を繰り返す中で、熱エネルギーへ転化され熱放射により減少する現象です。
○ 共振とは
ブランコをこぐとき、ブランコを大きく揺らす為には、こぐペースを調整する必要があります。ペースをあわせてこぐことができれば、小さな力でも十分揺らすことができます。これはある周波数のこぎ方に反応するからです。
共振周波数とその共振の度合いは形状や材質で異なり、弦のような単純なもの意外は共振周波数同士は正確な倍数関係にないことが多いのです。
ピアノを調律するときの音叉のチーンという澄んだ音も、共振によるものです。多少たたき方が変わっても同じ高さの音が得られます。 音叉に限らず物にはすべて、共振周波数があります。
防音室を設計するときは、それぞれの構成部材の共振周波数が一致しないように、また現状のお部屋の音響特性を事前に測定し、(新築の場合は、部材のデータでしっかりと検討し)音響障害となりうる共振の少ないお部屋の設計をする必要があります。