動画配信サイトやSNSの普及にともなって、ライブ配信をする方が急増しています。

ライブ配信は自宅などにいながら大勢の人の注目を集められる手段です。しかし、自宅から配信する場合は、音が気になってしまう方も少なくないでしょう。

本記事では、ライブ配信時の防音対策についてポイント毎に解説します。自分で手軽にできる方法のほか、本格的な方法まで紹介するので、ぜひ参考にしてください。

ライブ配信の際に気を付けなければならない音の種類

ライブ配信を始めとした動画配信の際、気を付けなければいけない音の種類にはどんなものがあるでしょうか。

多くの方が真っ先に思い浮かべるのは音漏れですが、じつは、他にも気をつけておかなければならない音問題があります。主な音の種類で押さえておくべきなのは、以下の3つです。

  • 音漏れ
  • 家庭内の生活音
  • 近隣の騒音

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

音漏れ

音漏れは、ライブ配信の際に最も気を付けなくてはならない音の種類です。
外部へライブ配信中の音が漏れることで、近隣住人に迷惑をかけるだけでなく、大きなトラブルに発展する可能性もあります。
とはいえ、ライブ配信に熱中していると気付かぬうちに声のボリュームが大きくなってしまうものです。
また、複数人でライブ配信するような場合だと、自ずと会話する声も大きくなってしまいます。
音漏れ対策をするためにも、ライブ配信を行う部屋へ事前に防音対策を施すことは、重要です。

家庭内の生活音

ライブ配信を自宅で行う際は、生活音をマイクが拾わないよう注意しなくてはいけません。
子どもが走り回る音やペットの鳴き声、洗濯機を回す音、掃除機をかける音、食器を片付ける音、ドアを開閉する音、テレビの音など生活音は身の回りに溢れています。特に、子どもやペットが発する音を制御するのは至難の業でしょう。

こういった生活音は、個室でドアを閉め切っていても室内に響いてくるものです。生活音をマイクが拾ってしまい、せっかくの楽しいライブ配信が台無しになってしまう恐れもあります。

近隣の騒音

生活音と同様に自宅周辺の騒音にも気を付けたいものです。
近隣の騒音で考えられるのは、工事音や救急車のサイレン、子どもの遊び声などが挙げられます。自宅が電車通り沿いにある場合は、電車の通過音や踏切の音などもあるでしょう。
また、大通りに面している場合であれば、車やトラックの走る音や人の話し声なども気になります。

近隣の騒音は、窓を伝って部屋に入ってきます。窓が薄い、もしくは多い部屋はしっかりとした防音対策が必要です。

手軽にできる防音対策

身近で簡単に手に入れられる材料や安価な防音グッズを使って、すぐに始められる防音対策を紹介します。しっかりとした防音対策をする時間やコストは無いけど、ライブ配信を始めてみたい方向きの方法です。

安価な材料でできる対策

自宅にある材料やネット通販などで安価に手に入る材料を使った防音対策には、次のようなものがあります。

カーテンの閉め方や厚さで調整する

音の出入りが一番多い窓の周辺に防音対策を施すのも効果的です。
ライブ配信を行う際は窓をしっかり閉め、カーテンをしましょう。そのうえで、カーテンのすき間を埋めるようにマスキングテープで貼ると、防音効果を高めることができます。

また、カーテンは薄手のものではなく、厚めの遮音カーテンを使用すると良いでしょう。最近は大手家具メーカーやネット通販でも遮音カーテンが種類豊富に発売されており、安価なものも手に入りやすくなっています。

配信機器の周辺を段ボールで囲む

段ボールの多数の細長いすき間には吸音の効果があるため、パソコンやスマートフォン、マイクの周辺を加工した段ボールで囲むと多少の防音効果が期待できます。また、段ボールを複数枚重ねて使用することで、防音効果を高めることができます。

ただし、段ボール自体の吸音効果はそれほど高くないため、完全に音を遮断することはできません。あくまでもライブ配信時の音量を軽減する方法という位置づけで、取り入れると良いでしょう。

パーテーションで簡易個室を作る

パーテーションを使い四方を取り囲むことで、簡易的な個室を作ることができます。より防音効果を高めたいのであれば、パーテーションの上を遮音カーテンや段ボールなどで覆うのがおすすめです。

最近では、防音効果のあるパーテーションが販売されているので、そういった物を利用しても良いでしょう。
パーテーションで簡易個室を作るメリットは、音を遮るだけでなく視界も遮ることができるため、ライブ配信にしっかり集中することができます。

吸音材を使用した対策

吸音とは、読んで字のごとく音を吸収することです。
音エネルギーは多孔質材料(細かい穴がたくさんある材料)のようなすき間の多い物体を通過する際に、すき間内で摩擦が起こり熱エネルギーに変換されて吸音されます。
吸音材とは、一般的にこの多孔質材料のことを指します。吸音材を壁に貼り付けることで、防音効果が期待できるでしょう。
吸音材の種類はさまざまです。ホームセンターなどで手軽に購入できるものとしては、以下のようなものがあります。

ポリウレタンスポンジ

台所で食器洗いなどにも使われるポリウレタンスポンジは、吸音効果の高い素材としても知られています。ハサミやカッターで使いたい大きさに自由に加工できることから、素人でも扱いやすい素材でもあります。
ポリウレタンスポンジには表面が平らなものから、吸音性能の高い凹凸のあるものまで種類が豊富なのも特徴です。
なかにはデザイン性の高いものもあるので、防音だけでなくお部屋のインテリアとして取り入れることもできるでしょう。

グラスウール

断熱材として家屋に使用されることが多いグラスウールですが、吸音材としての効果も期待できます。上述のポリウレタンスポンジやロックウールと比較すると吸音性能は劣るものの、安価で手に入りやすい点がメリットです。
ただし、繊維質な素材であるため、グラスウール単体で利用するのは難しいでしょう。次に紹介する有孔ボードのようなものと組み合わせて使用するのが、おすすめです。

有孔ボード

有孔ボードとは、ボードの表面に等間隔で穴が空いている板です。小学校の音楽教室や体育館などに利用されているケースも多いため、一度は目にしたことがある方も多いでしょう。
一般的なボードと違って、有孔ボードは表面に空いた穴が音を吸収し、熱変換して高い吸音効果を発揮します。

最近では、有孔ボードはホームセンターだけでなく100円ショップなどでも手に入るようになりました。
上述で紹介したポリウレタンスポンジやグラスウールと一緒に使用することで、より吸音効果を高めることができるでしょう。

「手軽にできる防音対策」のメリット・デメリット

上述で紹介した方法は、身近な材料や安価な材料を使用し、手軽に防音対策できる点が大きなメリットです。
一方で、専門業者が使用する材質と比べると、どうしても防音性能が劣ってしまう点は注意しておかなければなりません。
また、DIYで防音対策する場合は、完全にすき間を塞げなかったり、材質の性能を上手く活かしきれなかったりすることもあります。専門業者が施工する防音対策と比べると、思ったような効果が得られないかもしれません。
楽器を使用するようなライブ配信や配信の頻度が多いケースなどは、本格的な防音対策を検討するのがおすすめです。

組立式防音室を使った防音対策

最近ではボックス型の「組立式防音室」が、ネット通販などでも売られています。
組立式防音室であれば、防音性能も期待できるうえに、自分で組み立てて簡単に設置することができることから、手軽に導入することができます。

ただし、安価な組立式防音室でも100,000円近くかかってしまうことが多いため要注意です。
また、熱がこもりやすく長時間の使用に向いていない、部屋の中にデッドスペースができてしまう、サイズやデザインが豊富ではないといったデメリットもあります。
さらに、スペースが限られるため、ダンスなど体を動かすようなライブ配信には向いてはいません。


組立式防音室の導入を検討する際は、メリットとデメリット、特徴をよく考慮しておくことが大切です。

防音工事による防音対策

確実な防音対策として部屋を防音リフォームすれば、音の問題を気にせずライブ配信を楽しむことができるでしょう。
防音リフォームでは、防音対策ができる以外にも次のようなメリットがあります。

  • 音響設計を同時に行うことができる
  • 部屋のデザインを変えることができる
  • 居住性を損なわずに防音リフォームができる
  • 防音保証がついているものがある

防音リフォームは、今まで紹介してきた対策のなかでも一番コストがかかります。
しかし、得られるメリットは多いため、ライブ配信を長く続けていくのであれば、専門業者に防音リフォームを依頼するのがおすすめです。

万全な防音対策でライブ配信を長く楽しもう

今回の記事では、自分でできる安価で手軽な防音対策から、しっかりコストをかけて行う防音対策まで幅広く紹介しました。
いずれの対策も防音性能やコスト面でのメリットがある一方で、デメリットもいくつかあります。ライブ配信の内容や頻度に応じた防音対策を選び、上手く使い分けると良いでしょう。
今後も本腰を入れて長くライブ配信を続けるような方は、費用をかけてしっかりとした防音対策を行うのがおすすめです。用途や配信頻度、コストパフォーマンスを考慮して、ぜひ最適な方法を選んでください。