日々、暮らしていると、生活のなかでどうしてもさまざまな音が発生してしまいます。誰にも迷惑をかけていなければよいのですが、音の大きさによっては騒音として同じ住宅や近隣の人の生活を邪魔してしまうかもしれません。
今回は、戸建住宅における必要な防音対策について、具体的な対策方法を詳しく解説いたします。

住宅に必要な防音対策とは

騒音の定義は、人によって大きく異なります。非常に大きな騒音といえば、電車が通る音や工事現場などが挙げられるでしょう。音の大きさは「デシベル」によって比較することが可能です。

たとえば、電車が通る音をガード下で聞いた場合、その大きさは100デシベルだとされています。これほど大きな音は、日常生活のなかでそう頻繁に聞くことはありません。
住宅で暮らすなかで発生する騒音といえば、話し声や足音などが挙げられます。人によっては洗濯機や掃除機、室外機の稼働音なども騒音に分類する場合もあるでしょう。

環境省によれば、生活に支障をきたさないレベルの音量を昼間は55デシベル、夜間は45デシベルとそれぞれ環境基準として指定しています。それぞれの音の大きさの具体例として、昼間は家庭用エアコンの室外機を直近で聞く、夜間は図書館のなかが挙げられます。

住宅で暮らしていくのであれば、家族など一緒に住まう人を含め、生活に支障をきたさないレベルまで騒音を発生させない対策をするべきでしょう。

戸建住宅で行うべき防音対策

部屋同士が隣接し合っている賃貸物件とは異なり、戸建住宅には同じ建物のなかで自分や一緒に暮らす人々しかいません。しかし、住宅の構造によって生活音などの響き方は異なってくるため、同じ要領でいると知らぬ間に周囲に騒音で迷惑をかける恐れがあります。

とくに戸建に多い木造住宅の場合、賃貸物件に多い鉄筋コンクリートや鉄骨造りと比べて壁が薄い場合が多く、音が漏れやすいとされています。

自分でできる4つの防音対策

自分でできる4つの防音対策

周囲に騒音で迷惑をかけないための防音対策は、個人でも簡単に始めることが可能です。足音や扉の開閉など、ちょっとした生活音に対しては、これからご紹介する方法でかなり高い効果が得られるでしょう。

自分で簡単にできる以下の4つの防音対策について、それぞれご紹介します。

  • 防音カーペット設置
  • 防音カーテン設置
  • 遮音テープ設置
  • 防音スリーブ設置

1.防音カーペット

自分でも簡単にできる防音対策として、なかでもメジャーなのが防音カーペットの活用でしょう。防音カーペットは、床に敷くだけで防音効果が得られます。床に対して響いて騒音になってしまう音を、床に敷いた防音カーペットが吸収してくれる仕組みです。

防音機能が高いだけでなく、昨今ではデザイン性に優れた防音カーペットも多数登場しています。そのほか、抗菌や消臭などの効果も兼ね備えている場合があります。防音カーペットを選ぶ際はサイズのほかに、防音効果を表した「遮音等級」や付随しているさまざまな効果を確認するとよいでしょう。

2.防音カーテン

防音カーペットと同様、簡単に実践できる防音対策が防音カーテンの活用です。一般的なカーテンと同様で、窓につけるだけで使用できます。

防音カーテンには、外部の音をシャットアウトする「遮音」機能に特化したものと、住宅内部の音を外に出さない「吸音」機能に特化したものの2種類があります。目的に合わせて最適なものを選びましょう。

防音カーテンは、窓をしっかりと覆い隠せるようなやや大きめのサイズでなければ効果が薄くなってしまいます。
遮光や断熱効果に加え、デザイン性に優れたものなど種類はさまざまですので、目的に合わせて最適な防音カーテンを選びましょう。

3.遮音テープ

日常生活のなかで、必然的に開閉が必要な扉や窓には、閉じていてもどうしても隙間ができてしまいます。少しの隙間があるだけで、外に漏れる音は大きく変わってきます。

このような扉や窓の僅かな隙間を埋めてくれるのが、遮音テープです。隙間ができてしまう部分に貼り付けるだけで、僅かな隙間を埋めて音漏れを防いでくれます。

貼るだけで簡単に防音対策ができますが、使用する箇所に直接貼り付けても剥がす際に問題がないかよく確認しておきましょう。一般的なシールと同じように、シール剥がしやお酢を使うことで簡単に剥がせます。

4.防音スリーブ

騒音は、外部に繋がっている通気口が原因となる場合もあります。そこでおすすめなのが、防音スリーブです。通気口に装着することで、音を吸収してくれます。

一方で、通気口としての役割を少し阻害してしまうため、換気が悪くなってしまうのがネックです。使用する際は、長時間閉め切ったままにするのではなく、定期的に窓を開けて換気するようにしましょう。

防音スリーブは、内部の音が外に出ないようにするほか、外部から入ってくるのを騒音にも効果的です。

業者に依頼するべき防音対策

業者に依頼するべき防音対策

足音や扉の開閉など一般的な生活音に関しては、よほど乱雑に暮らしていない限り、防音グッズの活用だけで十分な防音効果が得られるでしょう。ですが、防音効果をより高めたいのであれば、業者に依頼してより高度な防音対策を実施することもおすすめです。

1.複層ガラスサッシ

2枚のガラスの間に空間を作ったうえで組み合わせて1枚のガラスとしたものを、複層ガラスといいます。
さらにガラス同士の間に吸音材を用いて、さらにサッシを強化して複層ガラスサッシとすることで、非常に高い防音効果を獲得できます。

2.壁

遮音材だけでなく、壁に制振材を用いることで防音効果をさらに高められます。音は、硬いものに響いて振動によって伝わる特性を持ちます。衝撃を吸収して振動が伝わらないようにするのが、制振材です。

防音材と制振材を組み合わせることで、住宅の壁における防音対策は非常に強固なものになります。そのほか、二重壁とする手法もあるので検討するとよいでしょう。

3.床および天井

床と天井には、同様の防音対策が施せます。たとえば、遮音性の高いものを床や天井に対して敷くことで、上階や下階に音が伝わるのを防げます。とくに、床は足音や物音が響きやすいので検討するとよいでしょう。

床に対する防音対策といえば、敷くだけで簡単にできるものが多いため、業者に頼まなくても個人でできてしまうと思われるかもしれません。しかし、あまり重いものを敷いてしまうと、住宅が耐えきれず床が抜ける恐れがあります。

また、天井に対しても同様で、重い遮音材などを用いて自分で防音対策を行ってしまうと、剥がれ落ちて大変な事態に発展してしまうかもしれません。

あまり無理のある防音対策は自分で行わず、業者に依頼するようにしましょう。

4.塗装

塗装によって防音対策を行うことも大変効果的です。防音のための塗装は、外壁あるいは屋根に対して行います。振動を軽減することで、内部の音が外部に出てしまうのを防ぎます。

また、外部から入ってくる音を防げるのも嬉しいポイントです。屋根を塗装することにより、雨音の軽減もできます。

楽器の防音対策

音楽スタジオのように、自宅でも自由に楽器を演奏できれば、練習が大変捗ることでしょう。楽器の音は、人の声や生活音よりも遥かに大きく、たとえば弦楽器や管楽器であれば80デシベルほどになるとされています。これは、パチンコ店の店内や救急車のサイレンに匹敵します。

よって、個人で行えるような簡単な防音対策では、ほとんど効果は期待できません。もっと本格的な防音対策が必要です。

自由に演奏したいのであれば、業者に依頼して防音室を設けましょう。楽器のための防音室には、組み立て設置するタイプの簡易的なもの、部屋をまるごと防音室にするものの2種類があります。

このような防音室を住宅の持ち主の判断だけで設置できるのは嬉しいポイントですが、かなりの重量になるため施工にはいくつかの制限が設けられることも覚えておきましょう。

シアタールームの防音対策

自分たちだけの理想の戸建住宅だからこそ、存分に映画やドラマを楽しめるシアタールームを設けたいと思われる方もいるでしょう。スピーカーで音を出すシアタールームを作りたいのであれば、必要な防音対策を実施しなければいけません。

これまでに紹介してきた防音対策のうち、複数の対策方法を採用して、誰にも邪魔されずに自由に映画やドラマを堪能できる理想の空間を作りましょう。

建築の段階から防音対策を考えられるのなら、そもそも窓がない部屋をシアタールームにする手があります。地下室があってそこをシアタールームにするのであれば、そこまで大掛かりな防音対策は不要です。

壁と比べて直接外と接しているガラスは、それだけ効果の高い防音対策が必要です。業者に依頼して複層ガラスサッシを設け、外部に迷惑をかけないようにし、また余計な音が入ってこないようにしましょう。

そのほか、外への迷惑だけでなく、内側に入ってくる音も極限までシャットアウトしたいのであれば、壁や床、天井に対する防音対策に加えて、間取りや室外機の位置もこだわるとよいでしょう。

誰もが気持ちよく暮らせる生活のために

普通に生活しているだけで、気付かぬうちに大きな生活音が発生しており、意図せず誰かに迷惑をかけているかもしれません。誰もが気持ちよく暮らせる生活のために、必要な防音対策をぜひ実施してみてください。

ちょっとした生活音であれば、自分でも簡単にできる防音対策で十分でしょう。しかし、楽器の演奏やシアタールームなどを検討しているのであれば、業者に依頼して大掛かりな防音対策の実施を推奨します。